猫ちゃんは「すみっこ」好きです。洗濯ネットに入ると猫ちゃんは「狭いところ、すみっこ」にいるように感じます。短時間であればおとなしく過ごせることも多いと言われています。
キャリーケース嫌いの猫ちゃんの中には、キャリーケースに入れたとたんにパニックを起こし、キャリーケースの中で必死に暴れる子がいます。こういう時の猫ちゃんの破壊力は想像以上。
キャリーケースを壊していまい、そのまま逃走ということにもなりかねません。このようにキャリーケース嫌いの子はお家でそっとネットに入れてからキャリーケースに入れてあげるのも一つの方法です。
ネットにくるまれていることで気持ちを静めたり、万一キャリーケースが壊れてしまっても、ネットに入っていればつかまえやすいものです。
おとなしく、キャリーケースに入り、中でも落ち着いて過ごせる子は無理に洗濯ネットを使用しなくても良いかと思います。
洗濯ネットは100均などでも売っていて安価で準備しやすいものです。いざという時に備え、何枚か用意するのもおススメです。
洗濯ネットを選ぶポイントは次の点です
①ゆとりのある大きさを選ぶ
猫ちゃんがピッタリ入るようなサイズを選んでしまうと、いろいろな応用ができません。少し大きさに余裕があれば、チャックの開け閉めのときに、ねこちゃんに気付かれずに行うことができます。大きめのものを選んでいください。
②網目の大きさは適度なものを
洗濯ネットの生地はさまざまなものがありますが、猫ちゃん用として避けたほうが良い網目の物は
①網状ではない(糸くずなどがはいらないような目の詰まった生地の)もの
②裏地などがついて2重になっているもの
適度な大きさの網目があったほうが、猫ちゃんの様子が見えますし、ネットから出せないような場合でも注射や点滴をすることができます。あまり高機能なタイプではなく昔ながらのシンプルな「洗濯ネット」が猫ちゃんの診療には合っていると思います。
ただし、ネットならなんでもというわけではなく、網目が大きすぎるとそこから爪が入りネットが破けて逃走したり、猫ちゃんも飼主さんも思わぬケガをする場合があります。
洗濯ネットに入れて抱っこで猫ちゃんを病院に連れてくるのは、よほどの理由がない限りは避けたほうがよいです。
駐車場と病院まで間、病院の待合室、洗濯ネットだけでは猫ちゃんに刺激が強すぎて大きなストレスを与えてしまいます。また抱っこを好まない猫ちゃんも意外に多いものです。
当院では、診察前に待ち時間がある時や、待合室が込み合っている場合など、猫ちゃんを院内の静かなお部屋にお預かりする場合がありますが、キャリーケースに入っていない猫ちゃんはお預かりできない場合もあります。
洗濯ネットはあくまでも、キャリーケースを助ける役目と考えてください。